この作品は、富野由悠季さん所蔵のミヤマクワガタ彫刻です。
富野さんといえば機動戦士ガンダムの監督であり、仕事に厳しい実力者というイメージがあります。
佐藤正和重孝は、2007年に仕事で富野監督と初めて会い、思わぬことを知りました。
富野監督は、彫刻についてとても造詣が深いのです。とりわけ、ロダン彫刻についての知識と理解、
思い入れは並ならぬものがあるということです。
富野監督は、このミヤマクワガタについて「先を感じさせる表現」「未完の美」というようなことを言っておられました。
佐藤正和重孝が若い頃から古代彫刻に学び、意識していたことを、端的に言いあてた言葉でした。
左の写真には、監督と出会うきっかけとなったガンダムのブロンズ像がみえます。
アニメーション界の巨星としてあり続けながら、ロダン彫刻を意識し続けた監督との交流が、10年たった今も
続いていることは、ものを創る人間の不思議なつながりを感じさせます。