彫刻家のことば
「細部のない単純化は貧弱しか与えません。細部は、組織の中をめぐる血です。
全体の中に入れられるべきものであって、全体はそれを包むので、殺すのではない。
これが本当の単純化です。これこそ偉大な芸術家が得ようとつとめるものです。
これはなくてならぬものです。これを見つけるまで、偉大な芸術家はこれに悩まされます。」
オーギュスト・ロダン
「彫刻は極度に時間性を奪われた芸術、不自由な芸術ですから、他のジャンルのものに比べて
象徴性が要求されるのは当然のことです。ある瞬間の姿勢というものではなく、いろいろな条件の一切を
ひっくるめたものを、不自由の中で獲得しようというのだから、かなり気の強い芸術ということになりましょう。
特定の説明的要素、小道具の類などを出来るだけ拒んで、作品の中にもちこまないのもそのためです。」
佐藤忠良