鎌倉の古刹、建長寺の境内に養老孟司さんが発案した「虫塚」があります。
その周囲に昆虫の彫刻を設置するという、名誉な仕事を養老さんから依頼されました。
虫塚のモニュメントをデザインしたのは、2020年東京オリンピックのメイン会場を設計した、建築家の隈研吾さん。
その周囲に佐藤正和重孝の作品を配置しました。
頭をひねったのは作品を固定する台座で、和の景色を損なわず、作品に合ったものでなくてはなりません。
そこで出会ったのがアトリエのある山梨県で産出される「鶴瀬石」
鶴瀬石は甲州鞍馬とも呼ばれ、独特の風合いをもつ美しい石で、和洋どちらの庭にも良く合うのです。
また、その石を取り扱う石屋さんとの出会いが作品にも影響を・・
写真の石組み↓は石屋さんの提案ですが、見えない場所にもこのように粋な心配りが施されています。
毎年、6月4日にはムシの日ということで法要がおこなわれています。
これは隈研吾さんがデザインしたモニュメントです。
こうして出会いを重ね、世界が広がっていくことが私の楽しみとなり、作品を創る喜びとなります。
真ん中にあるゾウムシは、楽家の方が制作された本尊です。