飼育考察
美しいオウゴンオニクワガタ。
ローゼン、モセリ、ババイ、それぞれに美しい。
♀でもこの美しさ。
交尾の姿勢もどこか彫刻的でさえある。
購入したカワラ材。これは硬すぎて使えない。
人生には貧乏くじを引くときもある。
菌糸ビンを用意するタイミングと本数も重要だ。
しかし、なかなか完璧にはいかない。
オウゴンオニクワガタは、虫好きでなくとも息を飲むほどに美しい種だ。
モセリの産地、マレーシアのキャメロンハイランドでは開発が進み、ほとんど採れないという情報もある。
現地人が野外飼育法を進めていないので、価格がローゼンとは逆の道をたどっている。
数が少ないほうが希少価値が高く、値段も高い。市場の自然な流れだ。
ババイなどは今後どういう道をたどるのか。
日本の飼育法も、素晴らしい進歩を遂げている。
★飼育方法★
飼育方法は雑誌でも何度も紹介されているので、それを参考にするとよいと思う。
一例として、私の場合を紹介します。
●成虫飼育環境と産卵セット
成虫は湿度が高すぎる環境で長生きしません。
ケースのフタに外側から新聞紙で覆い、セロテープでとめて、コバエの進入を防ぎます。
産卵は砂埋めレイシ・カワラ産卵材・菌糸ボトルのどれでも産卵します。
●産卵材
レイシ材の場合、皮は剥がさずに数分間水につけます。
そしてこの水分量が全てと言えるくらい、重要だと思います。
水分を含みすぎると、産んだ卵が全て腐ることもあります。
水分が少なすぎると、産みが悪く、まったく産まない場合もあります。
水から上げても、自然に中まで水が浸透してゆくので、そこをイメージして、
新鮮な食パンの中身くらいの水分量にします。
2〜3箇所ドライバーなどでメスが潜りやすくなるように穴を開けます。
私は、材をマットに埋めません。新聞紙で覆った通気のよい蓋をして
レイシの穴からメスのかじりクズが出てくるのをみて判断します。
数日して、メスが出てきたら、十分食事させ、別なセットに入れ替えます。
経験が少ない場合は最初のセットを割ってみて、どのような状態に産卵し、
どのような状態で卵が腐るのか、観察し、経験とします。
卵で取り出すのはお勧めしません。水分量さえ適切なら、初令が元気に育っているはずです。
●幼虫管理
1ヶ月ほど経ったら、投入するカワラ菌糸ビンを用意し、幼虫を割り出します。
あとは他のクワガタと同じです。
こうしてみると、オウゴンオニの飼育は産卵がすべてですね。
大きく育てるのは難しく、私はその方法がわかりません。
温度とビン交換のタイミングが大切なのだと思います。
●最後に
希少価値が高く、高額で取引されるほうが、飼育者にとって魅力でしょう。
私も同じです。
しかし、重要なのはあくまで金でなく、その「存在と」言いたいではないですか。
単純に飼育を楽しみ、感動できる。
その喜びを私は素直に感謝します。